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#15 【マシーン日記レポ】Over the Rainbow

こんにちは、りっちゃんです。

 

先日横山さんの舞台「マシーン日記」を見てきたのでその感想について書いていきたいと思います!(書き始めた時点では先日でした。すでに1ヶ月経ち、無事に千穐楽を迎えました良かったです)

ただ、自分の感想を忘れないうちに書き留めておきたいという感じなので

 

全然面白くないです!!!先に言っておきます!!!!

私言いましたからね!!!!

 

勝手にこうだったのかなって考察したことを書いていきます。

 

内容の話もたくさんしてるので、めんどくさい方はとりあえず感想のところだけ良かったら。

 

マシーン日記とは

 

www.bunkamura.co.jp

 

松尾スズキさんが書き下ろしし、1996年に初演された作品。その後3度の再演とパリ公演も行われました。そして今回は「モテキ」「まほろ駅前番外地」などの多くの話題作を手がけた大根仁さんの演出です。

 

2020年2月6日-2月27日 Bunkamuraシアターコクーン

2020年3月5日-3月15日 ロームシアター京都メインホール

 

あらすじ

小さな町工場・ツジヨシ兄弟電業を経営するアキトシ(大倉孝二)は、妻サチコ(森川葵)とともに自らの工場で働いていた。工場に隣接するプレハブ小屋に住む弟のミチオ(横山裕)は、壊れた機械を見ると直さずにはいられない電機修理工。ミチオは訳あってアキトシに監禁されており、小屋と右足を鎖でつながれていた。一方のサチコには、かつてミチオに強姦された過去があり、未だ不倫関係にあった。
そんな中、工場に新しいパート従業員としてサチコの中学時代の担任で体育教師であったケイコ(秋山菜津子)がやって来る。数学的思考でものごとを考え、極度の機械フェチでもあるケイコは、壊れた携帯電話を直してもらったことをきっかけにミチオと結ばれ、「あんたのマシーンになる」と服従を誓う。小さな町工場を舞台に、男女4人の情念渦巻く愛憎劇が始まる…。

 

 

セットについて

このマシーン日記のセットの最大の特徴はセンターステージであること。そして登場人物が4人のみ。

ライブ会場にセンターステージを作るのは、まっさらな所に1からセットを作るわけだから簡単だと思うけど、劇場にセンターステージを作るってすごいよね?どんだけ裏が広いの・・・

 

 
 
 
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丸くて回転したり有刺鉄線がある感じが、12月に配信されたジャニーズWESTの「Wtrouble」の冒頭に登場したセットに似てるなって。

あと石で囲われたところはアキヨシが飼っているワニがプロジェクションマッピングで写ってたみたい。私の席からは見えませんでした。

花道にもプロジェクションマッピングを使って動くベルトコンベアを表現していたのがすごかっったなあ!

 

この写真を見てもらうと分かると思うのですが、とにかく箱が小さい。

びっくりした。私の席は後ろから2.3番目だったけれど双眼鏡がなくても顔がちゃんと見えましたもん。

 

この舞台中ミチオはずっと足首に鎖が繋がれているので簡単にはけることができないので、ずっと出ずっぱり。ミチオがいない(程の)シーンでは、ずっと機械のいじいじして修理してました笑

劇場は傾斜がついていて一番低いところにセットがあるのでドールハウスを覗き見しているみたいだなって。 セットの絵の中央に「盗聴BOX」って書いてあるんだけど、ミチオは修理を依頼された機械に盗聴器を仕込んで、他人の日常を盗聴している。それを観客の私たちは「ミチオってやばいやつ」と思うけど、舞台を見ている私たちだって盗聴と同じようなことをしているというね・・・

 

 

散りばめられた小ネタ

どんな舞台?と聞かれて一言でいうと「登場人物が全員狂っててヤバい話」なんですが、笑えるところもたくさんあって。とにかく小ネタがめちゃくちゃ転がってました。複数回見に行った人のレポを見ると観客層によってウケたりウケなかったりみたい。もちろん演者はいつでも全力でやってるからウケない時のメンタルしんどいだろうな・・・

固有名詞を使った小ネタがいっぱいで、アキトシ「朝ごはんにスタ丼買いに行ってくる♪」「やってなかった・・・」ミチオ「そりゃ朝7時からスタ丼食いたいやついないだろ!!!」とか「4人で合コンしようぜ〜!!!」(一応夫婦とカップル?だから合コンする意味がない)とか「ドモホルンリンクルぐらいしつこいな」とか。笑

 もっと他にもあった気がするけど忘れちゃったな。とにかく固有名詞出しまくりだった笑アドリブもたくさんあるんだろうなって感じがした。

あとは分かる人には分かるみたいな伏線とかあるだろうなって。基本的に知識が乏しいから気がつけなくて悔しいなあ。

 

それぞれの人物像

ミチオ

サチコのことを強姦した過去がある。それで兄によってプレハブ小屋に監禁されている。だけど自分から「出たい」とか「監禁をやめてほしい」とか言っていなくてそんなに嫌がっていなさそうだった。とにかく機械が好き。兄のアキトシが同じ町内の家から壊れた機械の修理を受けて、ミチオが直している。しかしただ修理するだけではなくて盗聴器を仕込んで、近所の家を盗聴して人の不幸で笑っている。コーラが好きでよく飲んでいるが、飲むときに手を開いておかないとバランスを上手く保てずにフラフラしてしまうという謎の設定。なんで・・・?かわいいキャラってこと?深い意味があったのかな・・・

 

 

サチコ

ミチオに強姦されているのに気まずさとかはなくて普通に話しているし、むしろ仲が良さそう。中学生の時ひどいいじめにあっていて自殺まで考えたけれど、当時の担任のケイコが助けてくれた。いじめられていたので、中学の時に文化祭でオズの魔法使いの劇をやることになって主役のドロシーをやりたかったができなかった。そのために主役になりたいという想いが強い。夫のアキトシからDVを受けている。だけれど逃げようとはしていない。アキトシはDVした後には優しくしてくれるという典型的なパターン。サチコはDVされている「可哀想な私」でいることで自分なりの「主役」になっているのかな。

 

 

ケイコ

サチコの中学時代の先生で工場の新しいパートとしてやってきた。体育教師だったけれど根っからの理数系で機械が好き。教師の仕事は楽しかったが、どんなに頑張っても給料は変わらないのでやりがいを感じなくなった。工場のパートは時給制なのが良いらしい。ミチオと男女の関係になった後、「あんたのマシーンになる」と言った。ミチオとはお互いに「好きじゃない」と言っていたが、監禁されて外に出られないミチオの代わりに「私がやってあげる」と放って置けない母性本能みたいな感じなのかな。ミチオに服従すると言ったけど実はケイコが裏で引っ張っている。

 

 

アキトシ

ミチオの兄でサチコの夫。ミチオを監禁している。左手には6本目の指がある。ケイコが工場に新しくパートに来る時に、「高卒の俺が大卒を使うんだ」と言っていて自分が高卒だから学歴コンプレックスがあるのかな。ミチオとサチコに双極性障害(うつ病)と思われていて、食べ物や飲み物に薬を混ぜられている。パンフレットには真為は定かではないと書かれていたので、違うのかも。ミチオとアキトシは歪んだ兄弟の形だけど、ミチオは「双極性障害のこいつよりはマシ」アキトシは「鎖で繋がれているこいつよりはマシ」とお互いに欠かせないものなんじゃないかな。

 

オズの魔法使い

マシーン日記を語る上で欠かせないのがオズの魔法使いで。

まだマシーン日記が始まる前の横山さんのブログで「オズの魔法使いを知るともっと楽しめると思うよ」って言ってたんです。私実は幼稚園の時に劇で主役のドロシー役をやったことがあって(主役と言ってもドロシー前半後半分かれるスタイルで10人くらいいたし、セリフは2言しかなかった) ストーリーは知っていたし特に予習もしなかったから忘れてたし、鈍感すぎて最後の最後まで気がつかなかったけど、めちゃくちゃネタバレやんか!!!

 

物語の終盤でケイコが甲冑を着て(ブリキ)、アキトシがライオンの被り物をして(ライオン)、ミチオは監禁から逃げるために鎖を切られるつもりが間違えて左足を切られて(カカシ)、ここでサチコが

 

「あれ?ブリキさん、ライオンさん、カカシさん・・・私ってドロシー?私って主役じゃん?」

 

って気がつくんですねえ!

ちなみにサチコは中学の時の劇でドロシーをやりたかったけどできなくて、主役になりたくてもなれなかったのを覚えていますか?

サチコ・・・主役になれたんだねえ・・・

 

キャラクターを当てはめていくと

 

ミチオ(カカシ)・・・脳みそ

アキトシ(ライオン)・・・勇気

ケイコ(ブリキ)・・・心

 

それぞれが持っていなくて、欲しいもの。

ぴったりすぎてびっくりした。

 

 オズの魔法使いの物語って結局はそれぞれ欲しい物がある登場人物たちが集まってみんなでもらいに行こう!だけど実はみんな欲しい物はもう既に持っていて、気がついていないだけ。

っていうストーリーじゃないですか(雑)

 

マシーン日記に出てくる彼らもそうなんだなって。

ミチオは監禁されているけど、実は外の世界(社会)にいるよりずっとぬるま湯に浸かっているようなもんだし、サチコはDVされているけど逃げ出していないしなんだかんだ楽しそう、アキトシは「家族」に固執していて、ケイコもミチオのマシーンになった。

 

マシーン日記の最後はアキトシが殺されてバットエンドだったけど、彼らの幸せはすぐそばにあったんじゃないかなって。

 

 

知らんけど。

(あ〜便利な言葉)

 

感想

とにかくとにかく

生のエンタメは最高でした。

ストーリーはすごい考えさせられるし、見終わった後もモヤモヤしたけど。

 

ケイコ役の秋山菜津子さん今回で初めて知ったんですが、滑舌が良くて通る声でとにかくセリフが聞き取りやすかった。役の感じもあると思うけど、秋山さんが出てくると空気がピリつくくらい迫力があった。

 

大倉孝二さんはドラマ・映画でよく見かけますよね〜犯人役やりがちじゃないですか?笑

4人とも狂ってたけど、アキトシがダントツだったなあ。1回しか見てないけど、1番アドリブぶっ込んでそうだった。あとね、大倉さん背が高い!横山さん176センチだけど大倉さん187センチ!テレビだと気がつかなかった。

個人的にコナンの実写版で山村刑事の役をやってほしい。どうでしょう?笑

 

森川葵ちゃんは隠キャのメンヘラやらせたらピカイチだよ(褒めてる)横山さんとのラブシーンもよかったなあ…めっちゃリアルだったもん。あの映像ほしい()

「私ってドロシー?主役じゃん?」の後にOver The Rainbowを歌うんだけどめちゃくちゃ上手だった。「some↓where↑」の跳躍しながら声を響かせて伸びやかに歌う感じすんごいよかった。滑らかで、柔らかい良い声だったな。そういえば表参道高校合唱部出てたよね。英語の歌詞だったから歌詞の滑舌とかブレスの仕方とかちょっと気になる所もあったけど(上から目線なのは許して)絶対伸び代ある。ミュージカルとかやって欲しいな。

なんでそういうことになったのかは忘れたんだけど、劇中で皿回しのシーンがあって。レポ見てると成功してる方が少なかったみたいで。私の見た回は上手に回してた!インスタに動画載せてたからリンク貼っておくね。

葵ちゃん歌は歌うし、皿は回すしすごいな・・・(改めて)

www.instagram.com

 

 

 生の横山さんに会うのは2019年9月2日から532日ぶりでした。行った人のレポを読んで「発光してた」って見て「おたく特有の比喩じゃん」とか思ったけど、本当に発光してた。だって登場シーンパンイチ姿でライトに当たってるとそう見えたもん!トトロいたもん!!!!!(違います)

 

舞台は横山さんのナレーションから始まったんだけど、実際にセリフを言い出して普段聞いてる横山さんの声と全然違うからびっくりした。横山さんの声ってこんなんだっけ?って。そこにいたの横山裕じゃなくてミチオだった。なんか横山さんの演技は今まで色々見たことあって絶対零度とかちょっと違うよなあ・・・って感じてたけど、今回のミチオはすごくぴったり?というかもう入り込んでるっていうか。

あとお芝居ってセリフが聞き取れないと伝わらないじゃないですか(当たり前)でもすごく聞き取りやすくて。ん?って思った箇所なかった。

 

劇中でマイケルジャクソンのスムースクリミナルを踊るシーンがあって。あのシーンだけはアイドル出ちゃってたなあ。ダンス歴24年だもんねえ。しなやかなダンス良かったなあ。

横山さんがコロナになっちゃって舞台の初日ができなかったから、その人達に向けての上映会があったんですよね。そこで権利関係でマイケルの音源が流せず無音だったらしいんだけど

 

 

ちょっと見たかった笑

改めて上映会ができるのってすごいことなんだな。仕事ができる横山さんとその周りのスタッフさんたち最高にかっこいい。

 

カーテンコールになった時には「アイドル」の横山裕になってて最高に最高に大好きだった。上手く言えないけど、歩き方までも違った。本当に!!

ストーリーが終わってそのまま舞台上でお辞儀してたんだけどその時はカカシ(足が1本しかない)の状態だから、4人で肩を組んで支えてもらいながら全方向にお辞儀してて。この時のBGMはスローテンポのOver the rainbowでこの時はまだ「役者」の横山さん。捌けてもう一回出てきた時はちゃんと2本足があって(言い方)BGMはアップテンポのOver the rainbow。ここから「アイドル」の横山さんに変わってた。

 

劇場に響き渡る拍手を浴びてめちゃくちゃ幸せそうだったなあ。

 

私が見た回はスタオベだったんだけど毎回じゃないらしくて。まあお客さんによるもんね。スタオベされてる横山さんを見れて幸せだったし、自担にスタオベをできるがこんなに幸せだなんて初めて思った。拍手しながら泣きそうになったのも初めて。そもそも大人数の拍手を聞いたのっていつぶりだろう?拍手の音ってすごく心地良いね。

前コンサートに行っていた時はここまでの熱量がなかったけれど、当たり前に1年に1回はコンサートに行けて当たり前に会うことができたからなあ。

 

この状況下では当たり前だったことがそうじゃなくなることはたくさんある。でも逆にそれに気がつけたって良いこと。そうやって色んなことをマイナスからプラスに変えていきたい。

 

以前に「(無観客ライブの)演出で客席にペンライトが置かれてるけど、お客さんが持つのと同じ光じゃない。お客さんが持つペンライトには命がある。」と言っていたから嬉しかっただろうなって。過去の横山さんの舞台を見に行ったことがある人のレポで、こんなにカテコでアイドルを出してるのは記憶にないって言ってて。この状況だから見にきたファンのために少しでも「アイドル」の姿を見せようってことなのかなって考えるとめちゃくちゃしんどい。ファンのためにMステでブリュレ披露してくれる人なので・・・。

 

 

横山さん、次はコンサートで会おうね!

 

 ここまでのキャリアになってくると舞台ってやらないことが多いのに、横山さんを初め大倉くんヤスくんと舞台が決まってるの嬉しい!

なんか舞台って話が難しそうだし敷居高い感じするけどめちゃくちゃ良かったので、応援してるグループの人たちが出た時には行きたい。

 

 

 

誰かはまちゃんに演技のお仕事をください・・・できればミュージカルを・・・